カドカワは、代表取締役社長の川上量生氏を代表権のない取締役に降格する人事を発表。
辞任の理由は「グループ経営体制の刷新のため」とされているがニコニコのプレミアム会員数が
2017年の1年間で36万人も減少したり、起死回生の一手で新たに立ち上げた位置情報ゲーム
「テクテクテクテク」も不調で業績の悪化に歯止めが立たないためだと推測される。
出版大手のKADOKAWAとIT企業のドワンゴがタッグを組み2014年に誕生したカドカワ。ドワンゴを率いていた川上氏はKADOKAWA創業家の角川歴彦会長(当時)に力量を買われ、会社ごと迎え入れる形で経営統合後の持ち株会社の社長となりました。
出版業界の古参企業と、上り調子のインターネット業界の新参企業の統合は当時大きな話題となり、IT業界出身の川上社長が出版事業に新風をもたらすのではないかと期待されました。
しかし、直近ではむしろインターネット事業の不調が目立っている状況です。ニコニコ動画の会員数減少が伝えられているほか、ドワンゴが新たに立ち上げた位置情報ゲーム「テクテクテクテク」も不調で業績に水を差す格好となっています。
また、ドワンゴでは現代表取締役社長の荒木隆司氏が辞任し、新社長には夏野剛氏が就任します。夏野氏はNTTドコモで携帯電話向けのインターネットサービス「iモード」の立ち上げにかかわり、「iモードの父」としても知られています。
カドカワグループの経営体制も刷新されます。これまではカドカワの傘下に出版子会社のKADOKAWAとドワンゴが並列している状態でしたが、4月1日以降はKADOKAWAがドワンゴを子会社化して、中間持ち株会社となる形で再編されます。
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